田舎僧侶の暮らし

けっこう長芋が好きな坊主のブログ

読書感想文『銃・病原菌・鉄』上巻

 

 

サピエンス全史読んだ後に、この本の存在を知って、いつか読んでみたいなとは思っていたものの、なかなか読もうという気持ちになれず・・・コロナでステイホームが叫ばれる中やっと読もうという気持ちになりました。



ジャレド・ダイアモンド:『銃・病原菌・鉄』上巻 読了しました。

 

 

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《今日の背景》仁王像の足下

 

ヨーロッパ、アジア、アフリカ、南北アメリカ、オーストラリア。それぞれの地で、人類は極めて多様な社会を作り上げてきた。高度な工業化社会もあれば、伝統的な農耕牧畜生活を営む人びともいる。数千年に渡って狩猟採集生活をつづける人びともいる。なぜ人類社会はこれほど異なった発展の道筋をたどったのか。世界の地域間の格差を生み出したのものの正体とは何か。この壮大な謎を、1万3000年前からの人類史をたどりつつ、分子生物学や進化生物学、生物地理学、考古学、文化人類学などの最新の研究成果をもとに解き明かしていく。

 




この本、上下巻ものになっているし、上巻だけで300ページ超えているので、読むのしんどい・・・・と何度も挫けそうになりました。

 

本の1ページ目を開くと、引用した上の文章が目に入って来るわけだけども、専門的な学問の分野多すぎ!

 

そんな、いろいろな学問から得られた結果をもとにこの本は構成されていて、詳しく書かれすぎているから、逆にわけがわからなくなるようなところもしばしばあったり・・・・

 

上下巻で成り立っているこの著書。この著書を一文で要約するとどうなるか?

 

「歴史は、異なる人々によって異なる経路をたどったが、それは、人びとの置かれた環境の差異によるものであって、人びとの生物学的な差異によるものではない。」p35

 

著者自身が、要約するとこうなるよっていう風にプロローグの方で、この本の内容を説明してくれていたので、これを読むのはしんどいよ!と著者自身思ってたんじゃないかと思います。



環境のせい

 

 

人類はアフリカ大陸からはじまり、他の大陸へ移動していった。という認知をされている。

 

そうであるならば、人類が始まった場所であるアフリカ大陸が文明、技術、学問、等々・・何事においても最新であるとするならば、まぁ納得がいく。始まりの場所がアフリカだったからね。

 

けれど、現実には、アフリカ大陸ではないところで、最新のものが生まれ発展していった。

 

ヨーロッパ人がアメリカ先住民を植民地化した。なぜスペイン人がインカ帝国を滅ぼすことができたのか?

 

なぜ逆にアメリカ先住民が、ヨーロッパを植民地化しなかったのか?

 

 

それは・・・環境のせい。



10文字以下でまとめたけれども、著者が言いたい事はきっとこれだね。




 

狩猟採集VS農耕牧畜ではない

 

 

 

かつて人間は、定住する事なく、獲物を狩りにいってその日を暮らしをしていた。毎度毎度移動しながら・・・ゲームではない本物のモンスターハンターだ。

 

それと並行しながら、自分たちで栽培できそうな植物を植えたりしていた。そうして、モンスターを狩りながら栽培も並行してやっているうちに、だんだんと栽培の比重が多い集団が現れるようになり、それが農耕へと発展していった。

 

そうして、狩猟採集の生活から農耕牧畜の生活へとシフトしていった集団が多くなっていったそうな。

 

 

植物栽培と家畜飼育の開始は、より多くの食料が手に入るようになることを意味した。そしてそれは、人口が稠密化することを意味した。植物栽培と家畜飼育の結果として生まれる余剰食料の存在、また地域によってはそれを運べる動物の存在が、定住的で、集権的であり、社会に階層化された複雑な経済的構造を有する技術革新的な社会の誕生の前提条件だったのである。p132

 

 

ただ、栽培できる植物や家畜化できる動物が、”たまたま”他の大陸より多く存在した大陸が、アフリカ大陸ではなかった。我が日本を含む、ユーラシア大陸だったんですね〜。

 

この”たまたま”によって、大陸ごとの差が開きはじめる。



 

病原菌つよし



ユーラシア大陸が、”たまたま”、栽培可能な植物の種類が多かったこと、家畜化可能な動物が多かったことによって、人口が多くなるスピードが他の大陸より早かった。

 

そして、人口密度が上がって、動物を家畜したことで、誕生したのが病原菌だった。

 

この病原菌によって、人口が一時的に減少する事はあったが、人間は抗体を作ることができた。そして抗体では対抗できない病原菌が現れ、またその抗体が作られる。その繰り返しの歴史を人類はたどってきた。

 

ヨーロッパ人がアメリカ先住民を征服できたのはなぜか?

 

スペイン人がインカ帝国を征服した時すでに、武器の差は圧倒的にヨーロッパ側の方が優れていた。

 

 

けれど、それ以上に圧倒的だったのが、ヨーロッパ人が持ち込んだ病原菌だった。それに抗体のない先住民が数多く倒れたことが、ヨーロッパ人が征服する上で一番効果的なものだった。

 

 

なぜその逆の現象は起きなかったか?

 

 

アメリカ先住民側が、ヨーロッパ人に病原菌を渡すパターンが起きなかったのは、ヨーロッパ人がその時すでに多くの抗体を持ち合わせていたからなんだってね。



まとめ

 

銃・病原菌・鉄。というタイトルだけれども、このご時世だからか、病原菌にまつわるエピソードが、印象に残ったね。

 

 

ヨーロッパ人が持ち込んだ病原菌が、多くのアメリカ先住民を殺した。なぜその逆は起きなかったか?

 

横に長いユーラシア大陸が”たまたま”環境が良かった。それがヨーロッパ人がアメリカ先住民を征服できた根本の理由にある。

 

どんな環境が”たまたま”良かったのか?その理由はこの本でわかる。

 

環境が違うだけでこんなに差がつくものかね?と環境の恐ろしさをしることができる1冊になっていました。