田舎僧侶の暮らし

けっこう長芋が好きな坊主のブログ

読書感想文『仏ヶ浦殺人事件』

 

まさか、地元の近くにある場所が小説の舞台となっていると思ってもみなくて、ジャケ買いならぬ、ジャケ借りしてしまいました。



木谷恭介:『仏ヶ浦殺人事件』読了しました。



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トラベルライターの森口美樹は、母校の恩師・佐伯重信教授に誘われ、下北半島へ民間伝承の調査に向かった。だが、そこで彼女を待ち受けていたのは、霊媒の少女の不気味な予言だった。やがて、少女の予言通りに殺人が発生し、佐伯が何者かによって刺殺されてしまう。警察庁の宮之原警部に助けを求めた美樹は、不可解な事件の謎に挑んでいくが・・・

 

 



舞台は青森県下北半島

 

 

図書館でこの本見つけた時は、3度見くらいしたね。

 

「ん?仏ヶ浦って書いてない?」

 

そして続けざまに表紙をみて、やっぱり仏ヶ浦って書いてる!という感動がきた。

 

まさか地元近くの場所が小説の舞台になっているなんて!普段サスペンスのジャンルはあまり読まないけど、面白そう!そそられた〜

 

いざ読みはじめると、最初の舞台は「牛滝(うしたき)」。ん〜渋い。行ったことがある場所だから、読みはじめると同時にそこの光景がありありと思い浮かぶんだわ。

 

その牛滝の近くにある、仏ヶ浦。ここで人が殺される。

 

それだけに止まらず、「恐山」「尻屋崎」と、他の場所でも殺人事件がおこる。

 

下北半島の観光スポットで殺人事件がおこっていくという展開自体は、サスペンスなんだけども、その地域に住んでいる私からしたら、下北半島観光めぐりの旅みたいな印象だったな。

 

きっと作者は実際に、これらの場所めぐりながら、物語の構想考えたんだろうなぁとか考えると、温かい気持ちになったね。ありがたい。






サスペンス劇場



さぁ、そんなサスペンス小説。ページをめくっていくにしたがって事件の全貌が見えてくる。

 

100ページを超えたあたりで、刑事、宮之原が登場してくる。この刑事と、森口美樹という主人公がバンバン事件の全容を暴いていく!

 

そして、徐々に解明される、登場人物たちの人間関係。私情のもつれ、とまではいかないがそれぞれの企みが交差しあう展開は、さすがサスペンス。入り組んでるね〜

 

もうこの、宮之原刑事が、船越英一郎を想像せずにはいられなかったね。

 

殺人事件の舞台は、「仏ヶ浦」「恐山」「尻屋崎」の3つだけれど、ちゃんとそれ以外の青森の場所も登場してきて、私は嬉しいよ。その中でもアスパム。まさか、アスパムが出てくるとは・・・



 

ピラミッドというよりは、民芸コケシの雪ん子というのを巨大にしたような形だった。雪ん子はしたが丸くなっているが、アスパムはしたまで三角形のままであった。正三角形ではなく、うえに長い二等辺三角形なので、安定感がなかった。しかも、横からみると異様に薄っぺらい。安っぽいおでんのコンニャクを立てたような感じなのだ。p41

 

 

アスパムを知らない人は、想像するのがきっと難しいだろう。けど、アスパムを知っている人は、この絶妙な表現に頷けると思う。おでんのコンニャク。確かにな・・・・



まとめ

 

サスペンス小説だからか、事件は一体どうやって解決していくのか気になって、駆け足で読み進められました。

 

それよりも、まさか「仏ヶ浦」が小説の舞台になっているなんて思いもしなかったね!

 

それでいて、物語が始まってはじめの場所が「牛滝(うしたき)」渋いぜ。

 

さらに「恐山」「尻屋崎」でも殺人事件がおこるという展開。もう下北半島全体を舞台にしていたね。そこまできたら「大間崎」も欲しかったなぁ〜

 

下北半島に住んでいる私からしたら、小説の舞台にしてくれて、ありがとう。という気持ちでいっぱいになりながら、読み続けられました。人が殺されていく内容なんだけどね!