田舎僧侶の暮らし

けっこう長芋が好きな坊主のブログ

読書感想文『落日』

2文字のタイトル。この時点で湊かなえ作品らしいなぁ〜と思うし、湊かなえ作品読んでいて思うのは、大概2文字のタイトルのものは、重い内容になっている作品なんだよな〜なんて思いながら、この本を手に取っちゃいました。



湊かなえ:『落日』読了しました。



f:id:nagaimo_itiban:20200627192708j:plain



 

 

新人脚本家の甲斐千尋は、新進気鋭の映画監督長谷部香から、新作の相談を受けた。「笹塚町一家殺害事件」引きこもりの男性が高校生の妹を自宅で刺殺後、放火して両親も死に至らしめた。15年前に起きた、判決も確定しているこの事件を手がけたいという。笹塚町は千尋の生まれ故郷だった。この事件を、香は何故撮りたいのか。千尋はどう向き合うのか。”真実”とは、”救い”とは、そして、”表現する”ということは。絶望の深淵を見た人々の祈りと再生の物語。

 




点と点が線になるやつ。



親のしつけによってアパートのベランダに出されることがあった幼少期、隣の部屋との仕切り板である防火壁。その向こう側にも、ベランダに出されている子どもがいた。

 

ベランダに出されている子どもは私だけではないんだ。と頼もしくもあった。その向こう側にいた子は一体誰なのか・・・・・

 

プロローグがこういう展開だと、一気に読んじゃうよね。えっ誰なの?誰?ってなってね。

 

やっぱり、読む前から思っていた通りの、重みある作品。さらに、「やっぱり」と思ったのは、今回も女性が主人公の物語だということ。ただ、1人だけの主人公ってわけじゃなかったな。

 

 

甲斐千尋。と長谷部香。の2人が主人公。

 

 

「笹塚町一家殺人事件」という殺人事件がこの物語の軸となっているから、サスペンスメインの展開になっていくのか?と思いきや、やっぱり湊かなえ作品らしく、女性主人公たちに焦点をあてながらも、15年前に起きた殺人事件の背景を探っていくという展開だった。

 

サスペンスが主軸の作品ではないけれども、殺人事件がテーマになっている作品だからか、勝手に、東野圭吾作品を読んでいるかのような気持ちになったりする場面もあったり。

 

ただ、なんかモヤモヤするなぁ〜みたいな展開も第5章あたりから、点と点が線になったぞ!みたいな感覚があったから、あながち、東野圭吾作品読んでいるみたいな気分になったのは、それが原因かもしれない。

 

また、読み進めていくうちに、この本の表紙が夕日になっているのは何故なのか?というところもまた、暴かれるというか、分かってくるような感覚もある。

 

やっぱり、全部一通り読んで表紙を改めて見ると、読む前に思っていた感覚とは、全然違う気持ちになっているよね。

 

まとめ

 

タイトルが2文字の、湊かなえ作品。

 

これまでの経験だと、読んで嫌な気持ちになって終わるのって、大概2文字の作品だよなぁとか思ったり。

 

けれど、今回はその逆だったかなぁと思う作品になっていました。

 

あと表紙。読後に改めて表紙見ると、読む前とは違う気持ちになっているんだよなぁ〜

 

「絶唱」の時もこんな感じだったな。

 

文庫化になったとしても、表紙は変えないで欲しいなとか思ったり。