田舎僧侶の暮らし

けっこう長芋が好きな坊主のブログ

読書感想文『罪の声』

骸骨姿のカバー写真。「罪の声」というタイトルと共に、不気味な雰囲気満々な小説。実際にあった「グリコ・森永事件」を題材にした作品で、どこまでがノンフィクションなのか、わからないけれども、複雑な事件であったということはわかりました。

 

塩田武士:『罪の声』読了しました。

 

 

 

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京都でテーラーを営む曽根俊也。自宅で見つけた古いカセットテープを再生すると、幼いころの自分の声が。それは日本を震撼させた脅迫事件に使われた男児の声と、まったく同じものだった。一方、大日新聞の記者、阿久津英士も、この未解決事件を追い始め。圧倒的リアリティで衝撃の「真実」を捉えた傑作。

 





3つのタイトル獲得



「2016週間文春ミステリーベスト⒑」第1位

第7回山田風太郎賞受賞作

第14回本屋大賞第3位

 

と、3つものタイトルをとった作品。

1984年に起きた「グリコ・森永事件」をテーマに書かれた本書。

実際の事件があった当時、この世に生を受けていなかった私は、そういう事件もあったんだな〜程度の、ある種歴史の教科書読んでる感じでしか読み進められなかったけど、この事件をリアルタイムで知っている人は、きっとこの事件の深みを知ることができるんじゃないかと思う。

 

主人公は、曽根俊也と、阿久津英士。

 

曽根は、自分の声が入ったカセットテープを見つけたことをきっかけに、自分や自分の家族が、過去にこの事件に関わっていたんじゃないか?という疑惑からこの事件の真相を突き止めようと動き出す。

 

一方、新聞記者の阿久津は、上司からこの事件を題材にした企画を振られて渋々といった出だしで取材を進めていくが、次第に取材への熱を帯びていく。

 

そんな2人の主人公が別々の行動をしている描写が続いて、それぞれの視点からこの事件の真相が明らかになっていく。

 

そして、同じ事件を追っている者同士、パタっと出会ってしまう。

 

と、ネタバレはこの辺にして・・・・




人間関係の複雑さ

 

2人が主人公だけれども、それ以外の登場人物の多さね!

誰が誰と繋がってるのか、途中で読み進めてきた箇所のページと読んでいるページを何回か往復しないと、誰が誰なのかわからなくなるくらい、人物多いで。

 

それほど、複雑な事件だったんだと思うと同時に、それほどまでに具体的な描写ができるということは、本当にあった事件も解明されている箇所がそれなりにあるってことだろうなと思ったよ。

 

ただ、出てくる人物が日本人ばかりでまだ助かったけどね。

これがロシア人とかだと、ストーリーに全然集中できないんじゃないか、名前覚えるのに精一杯で・・・

 

それでも、複雑に絡み合いすぎる登場人物と、過去の事件を調べていくうちに、事件の概要がだんだんとわかってくる。

 

そういうこの小説の描写は、読んでいるだけで、頭に画像が浮かぶような、その場面の光景が思い浮かぶ文章になっていたね。

 

本読んでるのに、映画見てるみたいな感覚。

 

ちょうど、今年の秋に映画も上映するみたいだし。



まとめ

 

グリコ・森永事件を基にした小説。

 

事件があった当時、私は生まれていないから、どこまでが史実に沿って書かれていたかはわからない。

 

ただ、本読んでるのに、映画見てるみたいな感覚になったね。

 

多すぎる登場人物と、事件の全容を明かそうとする2人の主人公。

 

その一連の描写が、頭の中で動画みたいになりながら読み進められました。

 

500ページ以上あるのに、こんなにスピーディーにページをめくっていけたのは久しぶりでした。